高らかに舞うチベットの歌声

Vol.10 チベット音楽
出演:テンジン・クンサン(うた、ダムニェン、リンブー)

2017年2月25日(土)14:00〜15:30 

 

第10回目はチベット音楽。チベットの伝統芸能を継承する目的で設立されたチベット舞台芸術団(Tibetan Institute of Performing Arts(略称TIPA))出身のミュージシャン、テンジン・クンサンが素晴らしい歌声と弦楽器ダムニェン、横笛リンブーの演奏を披露してくれました。

Profile

テンジン・クンサン(Tenzin Kunsang)

 

チベット難民2世としてインドで生まれる。チベット亡命政府により設立されたチベット舞台芸術団Tibetan Insutitute of Performing Arts(TIPA)に所属し、歌唱、舞踊、楽器演奏、オペラ等の専門的なトレーニングを積み、チベット伝統芸能のあらゆる分野をカバーできるだけの鍛錬を積んできたチベット人アーティスト。
2010年来日。長野県在住。東京にてテンジン・クンサンチベット伝統音楽教室を主宰。ダムニェン(チベット弦楽器)、歌唱、ダンス等指導。チベットの心を歌うオリジナル曲に力を入れ、日本各地でライヴ活動を行っている。2016年台湾の国立故宮博物館のチベット展オープニングセレモニーにて演奏。
長野・伊那谷に住むアーティストと共にINADANIANとしても活躍。また、多民族芸能集団WATARAとしてチベットの音楽、舞踊を日本各地で披露し大好評を得る
伝統に基づいた端正な演奏と柔らかく伸びやかな透明で温かい歌声は聴くものをチベット高原へと連れて行く。

【民謡】
チベット人は歌や踊りが大好きな人々で、かつてはお祭りの時には村人が総出で歌合戦(歌の掛け合い)を楽しむという光景がチベット各地で見られたといいます。現在はラサなどの都市部では歌合戦はほとんど行われず、歌を知っている人も少なくなってきたようですが、昔は村の人も町の人も非常にたくさんの歌を記憶していたようです。歌合戦では、集団が二つのグループに分かれて歌の応酬をします。

 

【チベット歌劇アチェ・ラモ】

 

チベットオペラは、ブルーマスクダンスという舞踊を皮切りに6~7時間に及ぶ歌劇です。チベットの伝承を題材にしたものや、昔の王室の物語などをテーマに演じられ、衣装やストーリーなどを通じてチベット文化を網羅的に表現します。ダラムサラのTIPAで開催される際は初日に必ずダライ・ラマ法王が臨席されます。

 

【TIPAについて】

 

「チベット舞台芸術団(TIPA)」は、チベット亡命政府がインド北部のダラムサラできたのと同じ1959年に設立されました。団員は生活を共にし、伝統的なチベット歌劇”アチェ・ラモ”や、舞踊・唄・音楽の保存に努め、世界中で公演を行っています。2000年、2008年には日本でも公演を行っています。インド、ネパール、ブータンのさまざまなチベット人学校で舞台芸術を教える先生たちは、多くがここで学んだ人たちです。



Impressions


ライブ配信動画


ギャラリーオアシス Facebookより「世界の音楽紀行Vol.10 チベット音楽ライブ ご報告」 

杉浦恵(ギャラリーオアシス店長)

世界音楽紀行シリーズvol.10チベット
たくさんのお客様にお越し頂き、満員御礼、ありがとうございました!
チベット人のテンジン・クンサンさんによる歌、楽器の演奏、ステップダンス、そして寺原太郎さんとのトーク、盛りだくさんな内容でとても楽しかったです。
チベットの方々はダライ・ラマの教えを重んじていて、音楽をこよなく愛しているというのがひしひしと伝わってきました。
クンサンさんの歌声は澄んでいて優しく、人柄が滲み出ていました。
またチベットの音楽は日本の民謡にも似ていて、親しみやすいと思いました。
目の前で音楽に触れることができ、贅沢な時間でした。

次回の世界音楽紀行は4月1日(土)、アイリッシュ音楽で、人気の3人組「John John Festival」(ジョンジョンフェスティバル)さんです。
乞うご期待!!


Morikawa Akikoさんによるレポート(Facebook投稿より) 

 

去る2月下旬に催されました、毎月恒例の世界音楽紀行、2月はチベット音楽でした。

演奏者さんは長野県在住のチベット人テンジン・クンサンさん。チベット難民2世としてインドで生まれ、チベット舞台芸術団という団体にてトレーニングを積み上げたアーティストです。

演奏と歌は多岐に渡り、ダムニェンという、三味線とルーツが一緒のチベットの弦楽器や、チベットオペラの独唱や、その他チベット民謡の弾き語り、踊り等々クンサンさんお一人で何人分?という位のパフォーマンスを繰り広げて下さいました。
チベット人の生活の三本柱?とされてるものは、仏教・遊牧・音楽&お酒(←音楽とお酒は宗教上の理由で規制されてる文化地域以外では万国共通のセットな文化なんですねやはり)であり、なもんで音楽文化はかなり充実している模様で、昔はお祭りの際には歌合戦が繰り広げられたり、アチェ・ラモと呼ばれる6~7時間にも及ぶ歌劇の文化があったり、音楽自体も、一つ一つは独立した曲であるものを、4曲続けて演奏できるようなスタイルにも変更できたり等、生活に密着した柔軟性のある楽しみ方がされてるみたいです。

クンサンさんのMCもユーモア溢れたもので、音楽の話に絡めながらチベット文化や風習をおもしろおかしく穏やかに話して下さり、その歌声ものびやかで、穏やかな時間が過ぎていきました。

余談ですが、この日はちょうど、肖像画家である久保俊寛さんの作品展の開催期間でもあり、うまい具合にダライ・ラマ猊下の肖像画がクンサンさんの後ろに展示され、終始猊下の優しい眼差しに包まれながらのひとときでもありました。

世界音楽紀行、3月はお休みで、4月1日はアイルランドへ飛びます。